出会いというのは、何も恋愛だけに限りませんが、おおよそ大半は恋愛目的あるいは恋愛に発展することを願っての出会いを期待していることには変わりません。
最も原始的な出会いの場は、先に紹介した雑誌です。雑誌といっても様々で、普通の中高生向け雑誌や、
芸能雑誌や、アダルト雑誌などです。特に情報弱者と言われる中高年向けに夫婦交換専門の雑誌までありました。
情報強者である若者は、80年代半ばに登場して一世を風靡したテレクラを活動拠点とするようになりました。
今では出会い系にすっかり押されて廃れかけていますが、ブーム真っ盛りのころには町を歩けばテレクラに当たるというくらい沢山ありました。歌舞伎町の壮大なテレクラ街も有名でした。
このテレクラという場所、汚くて狭くてタバコの煙がもうもうと立ち込める実に不健康なところで、
ひたすら女の子のコールを待ちます。初期には早取り方式と なっており、女の子のコールがなったら、
一番早くコールを取った人が会話できるというシビアな戦いの場でした。早取りをするため、
絶えず電話機のアクセス ランプをカチカチ動かしていたものです。
後半になってくると、ラウンドロビン方式で、お客さんの入店した順番に女の子のコールを回すというスタイルに変わりました。
知り合った女の子とどうするかは、当人の話し合い次第で、会話が弾めば実際に会ったりすることもできました。
テレクラ衰退期にはもっぱら援助交際の窓口と化 してしまい、公安当局も目を付け出し、
ついには1999年の風俗営業法改正で、身分証明書の提示を求めて未成年者お断りになってしまいました。インターネットと携帯の時代から考えれば直接電話でコミュニケーションできる
古き良き時代でもあります。
現在、40歳以上の人なら、テレクラと聞いて、「ああ、俺も通ったなぁ」と遠い目になる人も多いのではないでしょうか。実際にテレクラで知り合って結婚したカップルもいるのですから。